タイ政府が、ついに観光目的の外国人の受け入れを再開するというニュースを目にしました。第一便が2020年10月8日にエアアジアのチャーター便で150人の中国人がプーケットへ、また同日にプライベートジェットで7人の中国人がスワンナプーム空港にも到着する予定。以後は、2020年10月25日にスワンナプーム空港で126人の中国人の受け入れをする様です。
わたくしロンがタイの友人から得た偏った情報からの憶測になってしまいますが、タイの政府高官は中国偏重の姿勢をより鮮明にし、今後中国人観光客を優先的に隔離期間も段階的に短くしていき、年明けには隔離期間を無くすのではないでしょうか。
日本でも一時期に比べると感染者数は落ち着いてきましたが、世界全体でみると、感染者の増加は収まっていなく、トランプ米大統領も、新型コロナウイルス感染症に感染し緊急入院するなど、ワクチンや治療薬が開発されるまでは、以前の様に気軽に海外に行くのはまだ時間が掛かりそうですね。
タイに最初に到着したときにお世話になるのが出入国管理局の皆さんですが、手続きのやり取りはあっても話しをする機会はほとんどないかと思います。
今回はタイの出入国審査で体験した珍しい体験をお話しします。
1. 予想外のオファー
着陸から入国審査場までの緊張感
飛行機が着陸してから、入国審査場に行くまでって無駄に緊張感がありませんか?
入国審査場がガラガラだと「うぉー!めっちゃツイてるー!」という気分になりますし、激込みだと一気に凹んだり。
それこそ微笑の国タイランドでは、ファストパスという素晴らしい金持ち優遇制度がありますが、庶民にはなかなか難しかったりするのです。
入国審査の列並びをミスる
その日は深夜にドンムアン空港に到着、入国審査はまぁまぁ込んでおり「30分位待たないとダメだなぁ。」と思いながら幾つかある入国審査の列の一つに並びました。
予想より順調に進んでいたのですが、あと4人というところで順調に進んでいた入国審査の流れが止まってしまいました。
芸人のヒロシさんに似た容姿の男性が、どうも入国審査官と揉めているようです。
ヒロシさんに似ているといっても、ソロキャンプでブレイク中の今の容姿ではなくて、売れ出した頃のビジネスじゃないスーツに金髪という容姿でしたので、「容姿で判断するなよ」と思いながらも、一方で「確かにその服装は怪しいよなぁ」という思いも感じながら、ひたすら列が進むのを待っていました。
嫌な予感
ヒロシさんに似た容姿の方(以下、ヒロシ)は、20分ほど揉めた後、入国審査官の後ろに特設席が設けられ、そこで待機を命ぜられたようでした。
ヒロシが終わった後は、入国審査官も遅れを取り戻すかのようにスムーズに進みだし、わたくしロンの順番になりました。
いつもの様にパスポートを渡すと、
入国審査官:「あなたタイで仕事してるの?」
ロン:「はい。仕事しています。」
入国審査官:「タイ語は話せる?」
ロン:(嫌な予感・・・。最初の質問にタイ語で答えちゃったしなぁ)「少しだけね。あんまり上手くないけど。」
ロン:(しばらく沈黙が有ったので思わず)「どうしたの?」
入国審査官:「何でもない」
ロン:(よかったー。)
入国審査官:「あなた、タイ語を話せるでしょう?ヒロシが英語もタイ語も話せなくて困っているので通訳して欲しい」
正直、きっついなぁと思いながらも、同じ日本人が困っている様子ですし、入国審査官も女性で困っているのが分かったので、ご協力をすることにしました。
ダメだこりゃ
特設席に行き、まずヒロシに「わたしは日本人で少しタイ語が話せるので、先程の入国審査官から通訳して欲しいと言われて来ました。」と挨拶をしました。ヒロシと一緒にいた別の女性の入国審査官にも同じ内容をタイ語で話し、今回揉めている理由を聞きました。
ヒロシ自身は揉めている理由を全く理解をしていなかったのですが要約すると、
・過去に3回、オーバーステイをした履歴がある
・帰りの航空券も持っていないようだ
英語もタイ語も話せないのに3回もオーバーステイして、今回も帰りの航空券もないので怪しいということでした。
ヒロシに今回の理由を説明したところ、自分が入国審査で揉めた理由をようやく理解ができた様ですが納得は出来ないようで、「罰金は都度支払ってるからチャラじゃないか!」(発言そのまま)と興奮気味に訴えてきました。
「あー、これ関わったらアカンかったやつやん」
安易に引き受けてしまった自分を責めつつ、意訳して話が拗れても嫌なので、そのまま入国審査官に伝えると
「過去に何度もオーバーステイして、今回もいつまで滞在するかも不明。就労ビザも持っていないし、タイ語も英語も話せない。彼はタイで何をするつもりなの?」と呆れ顔で答えました。
「そうだよな。あんたと同じことを僕も思うよ」
よく「タイ人は仕事をしない」と嘆く日本人駐在員からの愚痴を耳にしますが、「少なくともこの入国審査官は極めて真面目に仕事をしているなぁ。ヒロシも疑われて当然なんだから、もう少し考えて行動しろよ。」そんなことを思っていると、タイへの渡航理由を聞いてくれと依頼を受けヒロシに聞くと、タイ人の友達に合いに来たとの事だが、そのタイ人は日本語を話せないと・・・。
「アカーン。ますます、ややこしい話やん」
そう口を開きかけたが、そこは大人なので感情を抑えて、フル回転で現状を打破する方法を考えることにしました。
ありがとう!謎のお友達
とにかく、最低限の役目を終えてこの場を早く離れる方法を考えた結果、
「ヒロシの日本語を話せないタイ人のお友達に迎えに来てもらったらいいんじゃね?」
と思いつきました。
この提案に入国検査官も納得してくれたので、ヒロシから連絡先を聞き、入国検査官にタイ人のお友達に連絡を取ってもらいました。
幸いすぐに連絡が取れたので、ここでお役御免と言うことで空港を後にしました。
いやー、ホント良かった。その後、ヒロシがどうなったのかは知りませんが、もしヒロシの入国が結局拒否されたら、「お前の通訳が悪い!」とか言われても困りますしね。
2. 出国審査員にサムアップで見送られる
今度は出国時のお話。場所は同じくドンムアン空港。
いつもの様にパスポートを渡し、webカメラみたいなので顔確認をすると、男性の出国検査官が「おっ?髪切った?」と予想外の質問。
わたくしロンは結構わがままなクセ毛で、タイで生活していた時はほとんど散髪に行かずアフロヘアー状態で過ごしていました。
しかし、その時は久々の日本への一時帰国で、本社へ挨拶に行く必要もあったので、前日にサラリーマンらしい髪型にしたのでした。
しかしここで疑問が。パスポートもサラリーマンらしい髪型の写真を使っているので、一体何故わかったのかなと・・・?
恐らくパスポートの写真だけでなく、検査官の方はタイ入国時の状態も確認されたのではないでしょうか。
・パスポート写真 サラリーマンらしい髪型
・タイ入国時 アフロ
・タイ出国時 サラリーマンらしい髪型
その後も出国検査官は「絶対、今の髪型がいいよ!」とか、「今度、嫁と日本に旅行に行くんだ!」とかご機嫌で話かけてくれて、最後はサムアップで送ってくれました。
3. 出入国審査を楽しみたいならドンムアン空港がオススメ!
まぁ、そんなことで発着便を決める人はいないと思いますが、スワンナプーム空港よりドンムアン空港の方が出入国審査に楽しみがあります。
あー、早くタイに行きたいなぁ!
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